「consequence(s)」の訳語としては「結果」がファーストチョイスになってしまいがちですが、IT翻訳の現場では、重大な影響を伴う操作について、次のように「consequence(s)」を事前に想定した上で判断してくださいという例文がしばしば見られます。
Consider the consequences of this carefully before implementing automatic reboots.
Event Handlers
この「consequence(s)」、「結果」と訳すと、既に発生している事態のように響いてしまって、あまりうまくいかないんですよね。
かといって「(操作の)帰結」、「成り行き」、「余波」などと訳すと、それはそれで仰々しくなりすぎてしまい、IT翻訳の他の文から浮いてしまいます。
ここはシンプルに「影響」として「影響を十分に検討してから~」などと訳すのがよいかなと思います。
「結果」という言葉に、まだ発生していない状況に言及する用法がないわけではないですが、その場合、次のようにポジティブな結果を指すことが多いようです。
例「この事業で結果を出せば(=成功を収めれば)昇進も夢ではない」
これに対して「consequence(s)」を未来の状況について述べるときは、しばしばネガティブな事態を想定しているため、「結果」をあててしまうとうまく文意が通りにくくなるのかなと思います。
こういった単語については辞書で一番最初にある訳語を鵜呑みにせず、少し気を付けて、文脈上適切な訳語を選ぶようにしたいですね。