翻訳ラジオ

若手の IT 翻訳者が書いています。

『英文翻訳術』を読み返す(3)動詞が隠れた名詞と、翻訳を開いたり凝縮する感覚

『英文翻訳術 (ちくま学芸文庫)』を読み返すシリーズ、はしがき、序章ときて、今回は1章と2章を取りあげます。 1章 所有格を考える――名詞(1) 2章 「核文」と「変形」――名詞(2) この「核文」という考えを導入した章、翻訳技法書の中でもトップクラ…

英文メールを書くときに「フリーズ」しなくてよくなる一冊: 3文で書こう

ローカライゼーションの現場に入る前、とある日系企業で、英語事務+日英翻訳・チェックのような仕事を担当したことがあります。 そのときに海外の翻訳会社と英語でコミュニケーションを取る必要が生じ、あわてて購入したのがこの一冊です。 通読した後もず…

『英文翻訳術』を読み返す(2)「頭から順に訳しおろす」は正義か?

前回は「はしがき」を取り上げた『英文翻訳術 (ちくま学芸文庫)』ですが、今回は序章です。 blog.traradio.com 序章 語順の問題そのほか §1 原文の思考の流れを乱すな 文法の枠組みに入る前に、まず、すべての前提となる点をいくつか最初に書いておきたい。…

翻訳者として伸びる人、伸びない人: 自分と翻訳を切り離せてますか?

翻訳業界にいて少し考えないといけないのは、他分野におけるような定説、成熟した議論から導き出された見解のようなものがそれほど多くないという点です。 なので、他業種や隣接分野の事情にも目を通して、「ここは似てるぞ」という部分を探すのは大切かなと…

新宿伊勢丹のハイブランドに学ぶコミュニケーション

買い物の付き添いで、年末に 1 回、年始に 1 回、立て続けに新宿伊勢丹に足を運びました。 特に 2 階のバー・カフェのカウンターで休憩するのが気分がいいですね。新宿の中でお気に入りスポットです。 さてさて、化粧品、靴、バッグなどのいわゆるハイブラン…

『英文翻訳術』を読み返す(1)翻訳者へのフィードバックの難しさ

翻訳学校などに通わずにローカライゼーション業界に飛び込んだ私が、初めて読んだ翻訳技術本が『英文翻訳術 (ちくま学芸文庫)』でした。 仕事帰りのファミレスで色んな翻訳関係のオンライン記事を読み漁っていた当時、ISSのコラムで成田あゆみさんが「初心者…

プロジェクトの対義語とは?

翻訳会社やローカライゼーションの現場では、500ワード以下の小規模な案件でも、これを「プロジェクト」と呼ぶことが多いです。 役職としても、プロジェクト管理を行うプロジェクトマネージャーやプロジェクトコーディネーターが存在します。 一般的に思い浮…